―船上―
[ぼんやりと空を見上げながら考えるのは今後のこと。
きっと今のままでは全てが中途半端に終わってしまう。
当初の目的通り、勇者様の為を貫くには、自分の心は少し弱くなった。
大切なものや、大切な人、大切な記憶、それを失ってまでそれを貫く事はもう出来ない。
じゃあ勇者になる?それがきっと自分の夢で、果たすべき役割。
でも、その為には邪魔になるものがある。]
僕一人で魔王を倒せるまで強くなるか、仲間を見つけて、一緒に旅をするなら、後者の方がいいに決まっている。
そうすると…
[そう、早熟する力を手に入れた代償、努力が報われる為の代償となった孤独の呪い。
仲間を作り、パーティーを組めば、自分の能力が半減する呪い。
それを解呪する方法はどこかにあるだろうか?
そんな今後の事を考えていたら、ようやく人の気配を感じて、視線を空から地上に下ろした。]
…ユリ…いや…
(133) りおん 2015/05/05(Tue) 21時半頃