……こっこーにかんするつみ。って何?
[結局根負けした監視員が資料を淡々と読み上げる。別の国のえらい人を殺したってことだ、と注釈が入れば、わかった、と素直に頷いた。]
ベネディクト、ってあの人食いベネット? ヴェルナー、ってあのヴェラ? ほんもの? えーやだ怖い。
[同じ凶悪犯罪者とはいえ、他の人々とは少々方向性が違う青年は、あまり真剣みのない声で怯える。]
あっ、アーサーって、あにきが会ってみたいって言ってた人だ!
[やがて、No.15の書類が読み上げられたとき、青年は足をばたつかせて興味を示した。]
……あ。でもこれ、殺さなきゃ出れない、んだよね。
どーしよ、殺したら会わせられない……。
[悩み始めた青年は口元に親指をやり、軽く噛み始める。
けれどそのうち、爪と歯の立てる音が楽しくなってしまったようで、鼻歌交じりに微かな音を立て続けた。]
(133) 2012/04/08(Sun) 00時半頃