ひぅ、……あけ、の、し、
[歯を立てられるのでさえ、体を熱くする。
自分が変わり果てつつあるのをまざまざと感じさせられ、眸の奥の怯えが揺れる。
そのくせ、明之進が少し離れただけで切なげに眉を寄せてしまって。]
……、――、!
[くらいのがこわい、――そう謂って、明るさを選んだせいで、明之進の欲の象徴をありありと目に焼き付けることとなる。
驚愕の裏でざわりと胸の裏側をなぞっていくのは震える程の――あろうことか、欲だった。無意識に喉が鳴る。]
…奥まで、…ぇっ、あ…よ、せ、明之進…っ
[こんなことを謂う明之進ではなかった筈なのに。
鈍くなった動きで、先頃犯された時のように逃げようと身を捩る。
欲に打ち勝った――というよりは。これ以上されたらもっとおかしくなるということへの恐れから。]
――っ!
[スーツの破ける音がした。肩越し振り返れば背後から覆いかぶさる明之進と目があう。怯え、期待、様々なものが綯交ぜの金色。]
(132) 2018/03/02(Fri) 14時半頃