(辞表を出すのは戻り次第今の上司を殴り飛ばすからであって、自由になるからではない。寧ろ殴った事によって捕縛命令すら出されても可笑しくない。逃亡の身は一緒だ。言葉は変えてへらりと笑ってみせる。もし本当の事を伝えたら、カリュクスは絶対に止めるだろうから)
僕は、女の子一人がピンチになるのを分かってて放っておけるタチじゃなくてね。もしどうしても自分でいけるというなら…――こうしよう。僕が君についていく。それも勝手に。…これなら君の行動は自由だ。僕が好きに付いていくだけだから。それでも、この手は取って貰えないかい?
(先ほどまで彼女に振れていた手を差し出す。ここまで来て、簡単に引けるものでもなかった。こんなに優しくて、不器用で、可愛らしい子を一人で放る?馬鹿言え。そんなもの、出来る訳がない。だから此方から手を伸ばす。こういう時、僕は卑怯だな、と思わなくもなかった。)*
(132) myumyu 2017/08/24(Thu) 09時半頃