>>110
[本当に──落ち着かない。己の苛立ちひとつすら制御できない。再度の舌打ちは微かなもので、己の頭を冷やそうとするように小さく首を振りながら溜息を吐いた…動きが、チアキの声に停止した]…………あ?
[……お兄ちゃん?──暫し、彼にまでそう向けられた呼称の意味を脳が回って噛み締めるよう探り。唇がぽっかりと開いて、思わず何か言葉にしきれなかった思いを喘いだような苦い息が零れた]
……おい………マジかよ…。
──アンタ、…あのチアキか。いっつもナユタにくっ付いて…しょっちゅう転げまわってた、
[遠い記憶の中、思い出されたのは、それこそ仔犬のようにナユタと共に走り回る少年の姿。過ぎた年月の為に、すぐには眼前の青年と結びつきはせずとも、言われてみれば成る程確かに面影はあって。…色々と迫り来る感がある現実に呻き]
……マジでちょっとな…。…懐かしいとか、ンな話じゃねーぜ…。[かつて撫でた腰は、割合に良い感触だった筈]
(132) 2013/07/18(Thu) 21時頃