やっぱりそうだよね、引き止めちゃってごめん。さっき自分の部屋に行ったんだけどね、淡い青色の、きれいな部屋だったの。家具もアンティーク調で素敵で……!
…いや、あの………だから、ヴェスの部屋ってどんなかなーって思って。
[特に考えなしに話していたけれど、よく考えたら食後の彼に食堂に居続ける理由はないのだ。少し申し訳なく思いつつ、期待よりずっと雰囲気のいい別荘への感動を誰かに伝えたくて、馴染みのあるヴェスに甘えて話し続けてしまう。
と、ふと思い返して。南方の"ご飯"の言葉や内装に浮かれたり、すっかり子供みたいにはしゃいでいやしないか。雑務からの解放感を勘定に入れても、何だからしくない。そんなことに思い当たると途端に気恥ずかしくなって、言葉を濁しながら彼の部屋について尋ねる。一応異性の自分に部屋のことを詮索されるのは彼も嫌がるかもしれないと思えば、より一層曖昧な言い方になった。]
(132) 2014/04/09(Wed) 18時半頃