86 忘却の海


【人】 お使い ハナ

……ん。かえろ。

[おとーさんの背中をもすもすしながら、お家へ帰る。

>>108せしーおにーちゃんが本当に自分のおにーちゃんみたいな気がするのは、きっと何度かここで遊んだからだろう。
おばーちゃんの顔をちゃんと思い出せなくて、ごめんねの気持ちがもやもやしたから、離れる時、せしーおにーちゃんの顔を見られなかった。]


おとーさん。
ハナね、おとーさんだいすきだよ。

[背中にぽそぽそ、呟く。
お酒の匂いをさせても、怒鳴ったりしても、でも少女のことを誰かに押し付けようとはしなかった。
軍でたらい回しを経験した少女がこのおとーさんに心を開くきっかけには、それで十分だった。]

(131) 2013/06/21(Fri) 21時半頃

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