[最初に考え始めたのは、ラディスラヴァのことだった。
あの時口をついて出た疑いの言葉がとっかかりになる。
『ラディスラヴァ――クラリッサが去年死んでいたなんて嘘じゃないのか。投票されないように、亡霊はクラリッサと誰かで自分はそれとは違うのだと騙したかったんじゃないのか。』
そうメモをとる。
『そうだとすれば……亡霊は二人。もう一人まだ隠れているかもしれない。ラディスラヴァを庇おうとする人がいれば』
疑心暗鬼の渦に嵌っていく自分を感じる。レティーシャが僕をたしなめた声を思い出した。だけど、止められない。
『レティーシャ……ラディスラヴァへの疑いの声を止めようとした。ケイト・ベッキー・サイモン・クラリッサ・ハナと親しいとは言えなかった。』
そこまで書いて、吐き気がきた。]
僕は、あんなに大事な友達まで……亡霊かもしれないなんて。
[気持ち悪い。自分の思考が気持ち悪い。そう考えられる自分に最悪の気分になった。
けれど、手は止めない。]
(131) 2013/02/08(Fri) 09時半頃