…半年程前の式典ぶりだろうか。
[知り合いかとペラジーに聞かれれば、デルメルが説明してくれたので幟乃は何も言いませんでした。けれど、久しぶりだと言われれば思わず式典という言葉が口から滑ってしまいました。それも、もう気にせず中に入ってしまいます。中に入る際、デルメルが何かを呟いたことは分かっても内容までははっきりと聞こえなかったでしょう。
ペラジーがカウンターへと姿を隠せば、紅茶の甘い香りを感じながらデメテルに話しかけます。]
…デメテル、君は花が好きだったのか、知らなかったよ。
屋敷での生活は退屈でね。わたくしも花を活けるのがとても好きなんだ。側に仲間が居たとは思わなかった。
[店内に咲き誇る春の花々を柔かに見つめながら話していれば、ペラジーが紅茶を勧めてくれたでしょうか。礼を言うと、もう少しだけ話を続けたでしょうか。]
君さえ良ければ、今度わたくしと花を活けてみないか。
[幟乃にしては珍しく、誰かと交友を持とうとした瞬間でした。意外だったかもしれません。気分が良かったせいでしょうか。*]
(131) 2014/12/24(Wed) 01時半頃