[はあ、と一つ大きく息を吐いて、私は表情を緩めた]
私、宍戸の友達だからさ。
宍戸を追い詰めるようなことをしたあなたは嫌い。
……だけど、あなたは、宍戸の大事な弟みたいだからさ。
[そうなんだよ。そこなんだよ。
私個人の感情では、こいつを許したくないよ。
だけど、宍戸は許す許さない以前に、そもそもこいつに怒ってすらいないんだよね。自分の場所を明け渡そうって思うくらい、こいつのことが好きなんだよね。
だったら、私はこの感情をどこに持っていけばいいんだろう]
……だから、あなたのためにも、宍戸が生きてて良かったって、思うよ。
[宍戸がもしあのまま死んじゃってたら。
宍戸の気持ちがどうだろうと、私は絶対こいつを許せなかっただろう。
だけど、宍戸は生きてるから。
宍戸に免じてなら、こいつのこと、もっと知っていくのもいいんじゃないかなって。
そんな風に思うんだ]
(130) takicchi 2016/09/26(Mon) 17時半頃