― 寮・少し前 ―
[「緊張しなくていい」と芦屋先輩>>122は言ってくれたけれど、それですぐさま寛げる程の器用さは私には無かった、けれど]
だ、ダメじゃないです!
[視線を泳がせながらも、咄嗟にまずそれだけは答えて]
その、元王子様と、現役王子様と……
きちんとお会いできたのも初めて、だから。
この機会に、その、よろしく、お願いします。
あ、琳田真輝です。
[芦屋先輩にはそういえばきちんと名乗っていなかったと気づき、後から名前を添えた。
そして「ダメじゃない」を示すように、彼女がそっと伸ばした手を、私は素直に受け入れて――]
あう……。
[髪に触れる優しい感触に、思わず、変な声が洩れた。間違いなく、この時の私は赤面していた。
寧ろ変な緊張が増してしまって、この時、それ以上の言葉は喉から出てこなかった**]
(130) 2017/01/28(Sat) 22時半頃