仲間を死なせるヒーラーなんて、その時点で二流なのです。
[蘇生の魔法は使えない。ならば、蘇生の必要のないヒーラーになればいい。誰も死なせなければいい。この上なくシンプルな、そしてだからこそ難しいその答え。
そして、その「誰も」の中に、自分自身も含めなければならないことを、今のミームは知っている。
勇者様が守れるなら、自分の命などどうでもいいと思っていた。でも、今は違う。
側にいてほしい、と勇者様は言ってくれた。側にいる、とミームは約束した。
だからミームは、生きて、勇者様の側にいなければならない。
かつては、それを欲張りだと思っていた。けれど、そう望んでいいことを、今のミームは知っている。
それは、とても難しいことかもしれない。けれどミームは、その為の努力を惜しまない。
だってミームは、世界を救う勇者様の仲間なのだから]
(129) takicchi 2015/05/05(Tue) 20時半頃