息子程も年の違う男の餓鬼に靡くには、オッサンは少し歳を取り過ぎたんでな。
そう簡単に、今すぐお前さんに応えられる訳が無ェだろう。
[わしわしと頭をかき混ぜながら、眉を下げて告げる言葉は自分でも驚く程落ち着いたもので。告げた事実は坊主の顔を歪めたかも知らんが、そこは我慢して貰うしかない。
かき混ぜる手は、徐々に緩やかに。最後には手を止めてしまいながら、次の言葉を用意して。すう、と息を吐き、一度息を止めれば頭を抑え、坊主にこっちを向かせながら。]
…………、
結論を急くな、大人しくしてろ。じゃなきゃ考えてもやらんぞ、……ん?
[漏れた小さな嘲笑は、自分に向けて。浮かべた苦笑は、坊主に向けて。語尾を上げて、伺うように口の端を持ち上げる。
未だ揺れる心の中で、自分が出せる言葉はここまでだ、と。背に壁を感じながら眉を下げれば、諦めたように息を吐いた。]
(129) 2015/04/11(Sat) 17時半頃