― 廊下→談話室 ―
ま ん、 じゅー う。
[ 異文化交流の第一歩を踏み出したことでやや弾んだ声で、ごにゃごにゃご飛び乗ったアーサー>>110の言葉を追いかける。
それは確か、ヘリンが食べたり配ったり食べたりしていたものだったか。談話室に辿り着くのが遅れたせいでおおかた>>40に加わることの出来なかった身は、その形を思い浮かべることしかできない。甘いらしいということは知っている。]
あまい のは、 いい こ、と?
[ ことわざ。とまた知らない音を繰り返しながら、苦味に震える触覚>>7を思い出していた。
確かにいいことかもしれないと思った。ことわざはすごいな。感心したように頷く。]
いち、 にー い、 ……たりない、ね。
[ アーサーと己を数えても、外部作業服に覆われた指はふたつしか曲がらない。これではあまいいことに辿り着けないではないか。
絶妙に収まるアーサーの身体を支えるように掌を向けながら、サルバシオン小型艇シルク号は通路をとても緩やかに航行する。]
(129) 2020/08/26(Wed) 22時頃