[攻撃は三つ。頭上からの先ほどの袋、右手に握った瓶のような何か、そして……]
これはまた…。
[見た目の印象通りの豪快な男の攻撃に口許が楽し気に歪む。
この間合い、対処を間違えれば待っているのは窮地。
蹴った際の感触から袋の中身は砂のような何か。
ならば……左足を引いて半身になると地面を強く踏みつける。
左手を自らの額へと当てヘッドスリップの要領で男の頭突きを自分の左側、即ち男の右手側に流し左手で引き込む。
衝撃の全てを流せるとは思わない、ただ直撃を防ぎ男の身体を流せればそれで右手の動きを封じることができるはずだ。
落下する袋はさほどの脅威にならないと判断し捨て置き右足を強く踏み込む。]
HAAAA!
[全ては刹那に一呼吸の内に流れるように行われ、体をしならせることで晒した男の鳩尾へと右肘を突き刺す。
──それで詰み]
(128) 2014/11/07(Fri) 19時半頃