うん。
鹿島くんの傘みたいに丈夫な傘じゃ無くて、単なるビニール傘だったから…。壊れやすかったのもあるのかも。
[本当は家にある番傘でも持って行こうかと思ったが、この雨で壊れてしまっては困る、と思ってビニール傘に変えたのだった。しかし、ただでさえ脆いビニール傘だ、こんな雨に耐えられるはずも無いなど、少し考えれば分かったことなのに。]
うん、ありがとう。
[微笑んで、一緒に並んで歩き出す。この激しい風雨でも彼の傘は壊れること無く雨を凌いでいた。よっぽど上質な傘なのだろう。]
…人気が無いね。
この雨だからみんな家の中に居るのかな。
[辺りを見渡すが、人の影が自分達以外に見当たらない。当然ながら同じ高校の人も見かけないし、恵田からのメールも途切れてしまった。先生には会えなかったのだろうか。]
…あ、そろそろ学校に着くね。
[歩きながら、遠くの方に雨で霞んで見えにくいが、通い慣れた校舎の姿が目に入った。学校はもうすぐそこだ。]
(128) 2014/04/25(Fri) 16時半頃