……はぁ?今ならって何だ、時期で味が変わりでもすんのか。
[腕を回され、真っ赤になった顔を押し付けてくる坊主には、今度はこっちが素っ頓狂な声を上げる番か。坊主の話は結局何の話か分からんかったから、一先ず言葉通りに食い物の話と受け取って。
カソックとシャツに阻まれて、坊主の心臓の音までは伝わっては来なかったが、坊主の耳と行動を見れば想像くらいは出来ようもの。
そのまま告げられた恨み言(>>124)の意味は、やっぱり分からずに。首を傾げてただただ不思議そうな視線を向けるばかり。
自分にとっての毒の果実と、坊主にとっての毒の果実。それらが同じ物だなんて、考えようともせんままに。]
……ん?今何つった、もう少し大きな声……
[小さく呟かれた坊主の言葉(>>125)は、この静かな教会の中でも耳に届かん程には小さいもので。聞き返そうと軽く屈んだ先、押し当てられた袖口に思わず口を噤む。
先の自分のように、布を隔てて触れてくる坊主はどんな顔をしていたろうか。じゃらりと硬い鎖の音に漸くハッとしたのなら、まるで触れようとでもするようなその腕を――いつの間にか眼前に迫る坊主の顔を振り払おうと、手を上げようとしたんだが。]
(127) 2015/04/11(Sat) 17時半頃