―教室―
[遅れて悪い、と苦笑しつつ教室に入り、書かれた文章が増えている黒板を見る。寺田と、駒鳥。その二人も、どうやら居なくなってしまったようだ。
今教室にいるのは――まだこの校舎にいるのは、たった6人だけ。]
ああ。あいつ…万理、4階のお化け屋敷入ってって。それからチャイム鳴るまでずっとお化け屋敷の前で待ってたけど、あいつは出てこなかった。
[秋野が話し出し>>108、七尾に目配せされれば>>110頷きを返した。
そこで一旦口を噤んでから、もう一度口を開く。
万里との秘密、みたいにしておきたい気持ちはあったし、信じてもらえるかは分からないが、この状況だ。言っておいた方がいいだろう。]
…でも、チャイム鳴る直前に…微かにだけど、声は聞こえた。「私はもう大丈夫、さきに帰ってる」って。
だから…消えた奴らのこと、あんま心配しなくても大丈夫、だとは思う。
[心配しなくても、なんて言ったら、薄情に聞こえるだろうか。でも、またマネキンが現れて、それを見て誰かが泣く、なんてのは嫌だと。そう思ったから。]
(126) 2015/06/27(Sat) 01時半頃