―流星群―
[保温ポットに、紅茶と珈琲。湯で溶かせば飲める飲み物の用意をひとそろえ。大人ばかりだからと、シャブリとシャンパンを一本ずつ……これは管理人・レオナルドに頼んで地元で買っておいてもらったもの。さすがにワインボトルを担いで来たわけじゃない。
紅茶の缶は、缶のまま持っていく。
簡易なカップとは別に、ティーカップも一組。
寝袋や毛布は、イスルギと手分けして運んだり。他の誰かの手を借りたり。ライトや懐中電灯もあるだけ持ち出し、いざ望遠鏡を据えた観測地点へと。ここでもミロは大荷物を背負い抱えて、物音を引き連れて歩く。]
――よく見えますね。
晴れてよかった。
……は、
[独りごち、見上げた空一面の星に向かって息を吐く。いたずらに吐いた息はすっかり白く、ふわりと溶けて澄んだ夜に散った。流星群を迎えるにふさわしい、良い夜だ。]
(126) 2015/11/14(Sat) 23時頃