…売り物だったのか。
けれど、これは有り難くいただくとするよ。
[>>100幟乃は売り物だったと聞いて、目をぱちと瞬かせました。けれど、相手が贈ると言ってくれているのだから遠慮なく受け取ります。青年は誰にでもそうしているのかもしれませんが、「特別」という言葉は幟乃の自尊心を擽るには十分ですっかり御機嫌でした。
目が泳いだのを不思議そうにされれば、何でもないと誤魔化したでしょう。]
…優しい、か。好きな物を乱暴に扱う者はいないだろうよ。
[優しいと言われれば娘は一瞬停止し、自嘲気味にふっと笑いました。そんなことを言われるのは初めてです。]
ふむ、君は冗談だと思うか。よろしい、解釈は人の自由だからねェ…クックック…。
それは…初耳だなァ。花も嫉妬をするなんて、口はなくても心があるのか。
[目を瞬かせた青年を見て、幟乃は悪戯っぽく口角を吊り上げて茶化すようなことを言います。花が嫉妬をする話は、興味深そうに聞いたでしょう。]
(126) 2014/12/24(Wed) 01時頃