[カリュクスの瞳は、ゆれた。ゆれてゆれて、でもやっぱり最後に選んだのは]
私を心配してくれているのですね。あなたはいつもそう。
でも私だって、いつまでも守られてばかりでは、いられません。
私といれば、あなたはきっと、追われる身になります。
それこそ、私が死にでもしないかぎり、ずっと。
そんなこと……私は望みません。
[辞表を出す、というトレイルに。自由になろうとしている彼に、カリュクスの存在は重荷でしかないだろう。共に居てくれたら、という彼のことばは、ほんとうに、ほんとうに、嬉しかったけれど。でも]
私は大丈夫です。もうほんとうに、大丈夫ですから。
ひとりでも、立って、歩いていけます。
だから……ごめんなさい。私は、――いけません。
[きっとなんとかしてみせると、強がりは見抜かれていたかもしれないけれど。でも、今度はちゃんと、笑えていたと思う]
[――ああ。そうしたら、もう彼には会えない。そう思えばこころが痛んだけれど、それは見ないふりをした]*
(124) choco 2017/08/24(Thu) 05時半頃