でも、俺は結局師匠の与えてくれた凱剣に、未だ真名を与えていない。師匠の劔を完成させる事が、俺は凄く怖かった。[それは、師匠の魂を刃に変える事。師匠に自分の手でトドメを刺してしまうようで、それが怖かった。]俺はホリーの為にあの剣を打った。そして、その劔に魂剣・華月斎と、華月斎の銘を与えた。ならばやらなくてはいけないのは……。[即ち、その魂剣に魂を注ぐ事。覚悟はできていない。正確に言えば、華月斎の魂を奪われた時、魂の注ぎ方は忘れてしまったのだから。]………あの剣で直接貫かれれば、魂を注げるかもしれないな。[そう思えば、無能なままあそこにいるより、やはりと。]
(124) 2012/08/10(Fri) 23時半頃