──教室──
[教室に戻ってきた面々の間に、会話はあっただろうか。
あったとしても加わることはせずに、黒板の前の教卓にもたれるようにしてしゃがみ込む。
痩せた身体を丸めるように小さくなって、床に視線を落とす。
窓ガラスの向こうの闇と色とりどりの照明の元、何か、鉄のにおいを帯びた液体が広がっていた。>>#3
人が集っていたのもあって少し遠巻きに見ていたから、はっきりとは見えなかったけれど。
(──あの液体の色を知っている)
( からながれるあかいあかいあかい、あかい)
( 、真っ赤、な)
ぞわ、と背筋を何かが駆け抜けてゆくような感触があった。]
………?
[ちら、と顔を上げる。
机に積み重なった食べ物をみても、もうそれを食べたいとは思わなかった。
あんなものを見てしまったから、たぶん、気分が悪いんだ。
そう気づかされて、また、顔を伏せた。]
(124) 2015/06/22(Mon) 20時半頃