[コテージへの路は、相変わらず暗いのに。
また足元が留守になってしまうのは仕方がないと思う。
だって、ちらちら見つめる度に少しずつジャニスが反応を見せてくれるのが。ここへ訪れた時とは違う、意識し合う緊張感すら楽しいなんて。]
うん。ジャーニに、見惚れてた。
だってなんか、きらきらしてんだもん。
[もちろんコートの光沢なんかじゃなく。実際はごくごく普通なのだけど、ヒューの瞳には、そう見えるという話。
からかうような声に、真摯な眼差しを向けて。
誰に見られても知られても構わないし、恋の実り立て独特の無神経さで、支えようとしてくれた手をそのまま掴み、指を絡める。
誰かに見られて、すれ違っても、ジャニスから解かれない限り離すつもりはなかった。呼応する鼓動の早さが、こんな寒さの中でもじわ、と汗ばむ掌の感触が気持ちよくて、振りほどかれない限り離せそうにない。]
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(123) 2015/11/20(Fri) 01時頃