[八重の骸を足元に。シュタ、と眼前に降り立った小太郎にふわりと微笑む。八重が倒れた今、景虎たちの上に鉄の雨が降ることはないが。周囲の剣戟、銃声が入り乱れる中で、張り上げた小太郎の声はよく響いた。] うん。 おかえり、こたろー。 [土産と称した報告を聞きながら、剣を引いて太刀に戻し、着物の袖で血糊を拭って鞘へ戻す。後方に土下の軍勢と聞けば、疲労と痛みに青ざめた顔へ僅かに朱がさす。] 土下? 本当?![小太郎が構えて放った苦無の行く先など目も向けず。左手で小太郎の服の裾をちょんと摘まんで遠方を睨む横顔を見上げる。]
(122) 2015/05/21(Thu) 00時頃