── →保健室──
入っていー?
[秋野が保健室についたのは、朱美とひなこよりも少しだけ先だっただろうか。
一応声をかけて、保健室に入る。
絆創膏があったら、とりあえずポケットにねじ込む。
保冷剤を拝借した時、芽耶はメモを残していたけど、めんどくさくてそれはやらなかった。
そこに、まだ恵冬の姿は、あっただろうか。それとも、保健室を出ようとした彼女と、途中ですれ違ったかもしれない。
どちらにせよ、恵冬を見かけたならば、自分の見た状況を簡潔に伝えるだろう。]
めいちゃんのマネキンが、昇降口んとこにあったよ。
あと、上の方で誰かの声がしたから、那由多や朱美ちゃんが、たぶんそっち行ってると思う。
[一息にそれを告げて、秋野は恵冬の顔を見る。
本をたくさん読んでいる、物知りの彼女へ。*]
……ねえ、けいちゃん。
後でもいいんだけど、少しだけ、話できる?
(121) 2015/06/24(Wed) 20時頃