「レイン先生の貞操をルーカスが狙っているわ…!」
[実の息子に友達がいないのは知っている。
たまにメールのやり取りをしているのも、クラリッサちゃんくらいだと息子は言っていた。
その上で考えてみよう。
中二病大好きな息子が同性愛に目覚めるほど素敵な男性、
―――そう、それは塾の講師にして、奥様方のハートをキャッチして離さないイケメンで冗句も言えるレイン先生以外にあろうか。いや、ない(反語)
何せ、息子の落書きは殆どレイン先生宛だ。アレは息子なりのアピールだったのだ。
そりゃあ、レイン先生じゃあ仕方ないわよね。あの先生格好良いし、と頬に手を当て納得する母。
それでも、息子の急展開に母親はついていけない。
玄関によろよろと崩れ落ちながら、レイン先生がぁ…!と悲痛な叫びをもらす。
―――――ナオ家に流れる妄想の血は、濃い。*]
(121) 2013/12/10(Tue) 19時半頃