[ゴツン!]
[今度は、頭に強い衝撃が走った>>106。
ぐわんぐわん、と脳味噌が揺れる様な錯覚が、一時的だが燻る様な感覚を忘れさせてくれた。
ゆらりと意識が遠退きそうになり、昏倒しそうな時に、無理矢理引き起こされる。
そう、威嚇が混じった低い怒号と、押し潰さんばかりの魔力が放たれたのだ>>107。
言葉の意味を理解するのは難しいが、強過ぎる気配が自我を保たせてくれた。]
――……っ!?
[身体を弾ませながら、ぴたりと動きを止めてから、一旦身を引き王を解放しようと。
月に酔った時とは違い、自我も記憶もあるので自分が何をしようとしてたのか理解は出来る。]
くっそ……っ。
一体、どーすりゃあ良いんだよっ!
[何とも言えぬ興奮と熱さを持て余し、消化されぬもどかしさを覚えながら。
ノストの上から降り、彼に背を向け、ぼりぼりと頭を掻く。]
(121) 2015/08/03(Mon) 23時頃