[埋葬が終わると、男はすぐに彼らに安らかな眠りを祈る言葉を呟いた。
そうしていると、ドナルドから共存についての言葉が耳に入る>>100>>101。
次に入るのはベネットの見解で>>106。
怯え、蔑まれる目によって飼い犬を追い立てられる結果となった男には、理解できるようで。
けれど人と過ごす日常を好んでいた男には、あまり理解出来ないものでもあった。
だから、ぽつりと呟いてみせる]
──俺は、人と暮らしてきた元飼い犬だからなぁ。
人と言葉交わして、日常を共にする、『共存』のあるこの村にたどり着いて良かったし、幸せだと思っていたな。
[こぼす口許は、すっかり遠くなった良き日常を思い出して、久し振りに小さいながらも笑みを作っていた。
もっとも。
男が良き日々だとした日常は、どんな結末を迎えたとしても、戻ることはないだろうと──……。
そう、予測してはいるのだが]
(121) 2015/05/22(Fri) 19時頃