[いつも1つだけ不思議だったことがある。
ドロシーが歳の割には幼く見えること>>111だった。
それを口にして尋ねたことはない。
でもひとつひとつの仕草が少女のように映るのはどうしてなのか。
無邪気な笑みは心を和ませるのに十分なのに過ぎ去った時間の分だけ変わった何かだけが、違和を唱えている。
それに知らぬふりをするのは得意だった]
嫌われ者は世に憚るっていうしね。
きっと僕は長生きをするから、安心していいよ。
誰かの家に潰されないようにはしないといけないかもしれないけど。
[ただ、普段なら笑って流す言葉も、少し重たいものに思えてしまったのは、きっとまだ死に大して十分なのに時間が経過していないから。
彼女>>112と違い、身を乗り出すことはしなかったけれど、眉を下げながら口角だけは上げて、笑みのようなものを浮かべて頷いた]
(120) 2016/07/30(Sat) 01時頃