― 睡魔/更衣室→本部内 ―>>118
[ 明之進は帯をきゅっと締め直して、安らかな吐息を溢すメルヤの唇を見つめた。更衣室のベンチゆえ、転がり落ちはしないか少し気にはなったものの、他に良い場所も思い当たらなかった。]
……いってくるね、メルヤ。
…………。
[ 一言だけ投げかけて、振り向こうとした動きを止めた。この状況に相応しくない悪戯心が、淫気を重ねて浴びた少年の脳裏に過ったのだ。
つかつかとベンチに歩みより、眠るメルヤの服を捲り上げる。露にした胸板の、心臓の上と思しき辺りに唇を押し宛てて強く強く吸い上げた。]
じゃ、今度こそ。
おやすみ、メルヤ。またね。
[ 唇を離したあとにはくっきりとした紅の花押が残る。そう長く残るものではないかも知れないが、最前と同じくただそうする事自体に少年は意味を見出していたのであった。**]
(119) 2018/02/25(Sun) 21時半頃