- 翌朝 -
あでっ
[アラームを止めようと手を伸ばしたら、積み上がってた傍らの何かにぶつけたらしく、割りと派手な音をたててバラバラと何かが降ってきた。
その一つが見事におでこにクリーンヒットして、スッキリとはいかないが微睡みから覚醒することに成功した。
じんじんと痛む箇所をさすりながら身体を起こせば、
肩口にさらりと垂れてくる黒髪が目にはいって。
ああ、まだ戻れないんだということを知る。
言いつけ通り目を瞑りながらの着替えは、昨日より格段に難易度が増したが、時間をかけてどうにか攻略し。
朝食を食べながら、いよいよ二度と元に戻れないかもしれない可能性について考えた。
己よりも一歩先に前を見据えていた池田の、昨日のあれこれがよみがえる。そうか、それで、と。
けれどきっと池田なら。
そう思ってしまうのは彼女のあの部屋を直に見たからこそ抱く感想かもしれない。
彼女ならばきっと、この不可解な謎の攻略法を見つけるに違いない。
そうして今、自分はそんな彼女の「片割れ」だ。]
(119) 2018/08/30(Thu) 16時半頃