―過去の回想(魔法剣の訓練)―
[特技は何か?そう尋ねられた時に真っ先に答えそうになったのは『禁術』だった。
そもそも、特技など無く、強いて言えば魔法だったが、じゃあ魔法学科に入ればいいとなりそうだった。
そこで、もう一つ禁術の延長で覚えた魔法剣があった事を思い出した。
才能のない自分にしては珍しく、1ヶ月で剣に魔力を纏わせた事に驚いた記憶がある。
基礎魔法が使えるようになったのも半年以上かかった自分からすれば、かなり得意分野だと思う。]
もっとも、残念ながら、教師陣には魔法剣を使える人がいないせいで、基本的な事しか覚えられなかったけどな。
[幸運な事に、この学校には魔法剣を使いこなせる教師がいるらしく、それを知れて、その上レッスンまでしてもらえるのだからこれだけでもこの学校に入学した価値があるものだと喜んでいた。]
これでもう一つ、出来る事が増える…早く、もっと強く、もっと先へ…勇者様らしく、勇者様が目覚めるその時まで、僕は誰にも負けるわけにはいかないのだから。
[問題はもう一人、レッスンを受ける人間への対応をどうすべきか思考しつつ、レッスン場に向かったのであった。]
(118) りおん 2015/05/05(Tue) 02時半頃