>>97
[弁当箱を受け取る。一体何のつもりなのか分からずジェニファーを見返すと、薄く、白い手が重なった。
「夢、あきらめないでね。」
はぁ、と熱っぽい息。
なぜこのセクシー脳筋なクラスメイトは、潤んだ瞳で荒い息を抑え、自分に弁当箱を渡しながら手を重ねて、夢を諦めないように言っているのか全然分からない。熱でもあるのだろうか。あるのかもしれない、そうだあるからマスクしているのだろう。息が荒いのだろう。意識が混濁しているのだろう。
なんと言っていいのか分からず、ひとまずは弁当箱を受け取った。]
あ、ありがとう……。
いや、でも、大丈夫だ。
俺は多分、プロになりたいんじゃなくて、ずっと野球をしていたいだって、ちょっと気が付いてきた。
野球はどこでもできるから、大丈夫だ。
[力強く笑って、付け加える。]
でもお前はダメそうだから帰ろうな。
(118) 2017/02/09(Thu) 00時頃