─回想:つむぐものがたり─
[まだ知らないの。
ゆっくりと忍び寄る誰かさんのことはね>>10
でもね、知ってるの。
ここの神木にたまにプレゼントが置いてあること>>93
それが誰が作ったものなのかも。
わたしはお絵描きもだいすき。
だから、せんせいやみんなにも見せて、得意な誰かにどうやったらうまくできるのか、なんて尋ねたこともあったわ。
でもね、刺繍はほんの少し苦手。
よく、指を針で刺しちゃったことも覚えてる。
それに比べてシルクはわたしよりもざっと、上手に糸を編む>>94
まだ少しだけほつれた後の残る刺繍だけど、わたしはシルクが紡ぐ編み物がだいすき。
だからね、きっとこれはシルクが作ったものなんだなと思うと、ちいさく笑ったことは覚えているし。
たまにね、わたしにも編んで欲しいなあなんてお願いしたりもしたわ。
彼女が覚えているかは分からないけれど]*
(118) 2016/10/07(Fri) 20時半頃