期待はするな、と言っただろう。
餓鬼がそんな顔してんじゃあねェよ。泣きたきゃ泣け、笑いたきゃ笑え。
……あぁでも、俺の前では泣くな。扱いがわからん。
[ぐりぐりと鼻を揺らしつつ、支離滅裂な注文を押し付けて。じゃあどうすればいいのかと聞かれれば、知らん、と一言答えただろうが。
期待されたいのか、されたくないのか――応えたいのか、応えたくないのか。答えが例え心の奥底で出ていたとしても、それを認めるにはまだまだ時間と勇気が足りない。
そうして菓子を詰めていれば、近付いてきた坊主に――坊主の問いに、怪訝そうな顔を向けて。菓子を詰める手を止め、視線を上に向けて坊主の言葉を反芻する。
一体、何の話だろうか。話し方から、何かの比喩なんだろうが、それが何なのかが自分にはまったく分からない。
それとも、この坊主の事だから。本当に食い物の話をしているのだろうか。]
(118) 2015/04/11(Sat) 12時頃