― 談話室 ―
[ トルドウィンは口より触角>>80が、ワクラバは口より目>>94が饒舌だ。
今回、前者は口数が少ないようだった。薄すぎるコーヒーは、ラックの上とトルドウィンの手元>>81にある。
淵に当たるような息の音。その表情は見えない。]
ひてい す、る すべも、 ない 、よ。
[ 後者は今日も雄弁だ。トルドウィンに対してワクラバの名を呼んだ時、視線>>92がこちらへ向くのが分かった。だから身体を開いて、ふたりが同時に視界へ入るようにする。]
…… っ 、!
[ いつもより大きく開かれた目>>94に肌が波打つような感覚を覚えたのは、それからすぐのことだ。跳ねた身体に、球体の中を髪が踊る。
逸る指先を掌へと押しつけた。
声と、文字と。ふたつの言葉を同じ早さで重ねる。]
(118) 2020/09/02(Wed) 21時半頃