【人】 鳥使い フィリップ

[反逆事件の後、自由を与えられ、一度は一座に戻ろうかと考えた。事実、一度一座に顔を出した。皆、変わらず元気で、温かく迎えてもらい、懐かしさで胸が一杯になったのを覚えている。別れた時は小さかった子供たちもたった2年だというのに随分と逞しくなっていた。

　――……このまま此処に留まろうか。

そんな事を考えながら彼らの元に滞在していたある日、座長に呼び出された。年の功なのか、一座の父親だからなのか、心にある迷いは彼に見透かされていたようで。

　戦争の事、事件の事、吸血種としての自分、仲間への思い
　――……そして、彼の事

全てをぶちまければ色々驚かれたものの、昔の通り一緒に悩み、一緒に考えてくれた。
そうして、今此処に居る。]

(117) ハチドリ 2014/02/09(Sun) 17時半頃