[苛立ったように言葉を放てば、返ってきたのは謝罪>>111。
敵の言葉に素直に謝る奴がどこにいるだろう。いや、目の前にいるのだけれど]
……其方と話すと、どうも調子が狂う。
[薙刀を振るえば、それは男を掠めたか。当たっていてもいなくとも、大きく振るわれたその瞬間に隙が生まれる。
瞬間、飛び込んでくるのは雷光の剣。懐へ潜る速さを見るに、このときを狙っていたのだろう。貫くように突き出されたそれは避けられず、左の脇腹の肉を僅かに裂いた]
──…っくぅ……!!
[斬撃の痛みと、痺れ。顔を歪ませるけれど、その突きによって生まれた隙を、こちらも見逃すわけにはいかない。ただで斬らせるはずがないのだ。
ぽたりと血を流しながら、右手に持った薙刀をくるりと持ち直せば、瞬時にそれを相手へ突き出す。狙いも定まっていないその突きは、男へ届いただろうか]*
(117) 2015/09/23(Wed) 22時半頃