【人】 本屋 ベネット

― am Schluss/Latter end ―

[一度消えたベネディクトが次に現れたのは、最後まで自分を探してくれていた彼のところだった。
とはいえ、彼がすぐにそれをベネディクトだと判断できたかは解らない。そこにいたのは十にもならないような幼い少年。

ぶかぶかな袖と裾を何度も折り曲げてどうにか着ている囚人服の背に書いてある番号と、面影の残る顔が手がかりになるだろうか。]

　――ブローリン！

[幸いにして死んだ直後のように記憶が飛んでいるわけではないらしい。名を呼んで、駆け寄った。途中で裾を引っ掛けて転んだのはご愛嬌である。]

(116) siro 2012/04/20(Fri) 23時半頃