[手元にきた鳥の使い魔を腕に乗せて嘴に触れる。]
分散していた他の仲間達に伝えてくれ。
街の住民はあの教会、僕はそっちの住民を助けに行くから、みんなは引き続き逃げ遅れている住民がいないか見回るようにと。
それから、一番近い奴のところにこの子を案内してあげてくれ。
魔法剣・アイスブレイド!
[使い魔に少年を預けると魔法を一つだけ唱えて剣に氷を付帯させて、再び教会に向けて駆け出した。]
剣技・氷河乱舞――!
[教会の入り口にたむろしていた魔物を氷の剣戟で一掃し、その扉の前に立ち塞がる。
再び囲おうとジワジワと迫る魔物に一つだけ笑みを浮かべる。
その中にはいつか苦戦していた熊のような魔物もヴァンパイアの上位種も紛れている。]
なるほど、これだけ周到で組織的な追い込み方をしているんだから魔族が絡んでいるとは思っていたけど、思っていたより上等な魔族が絡んでいたらしいね。
あ、自己紹介はいらないよ?だってさ……
その自己紹介はあの世でした方が早いからね。
[剣戟と合わせて唱えておいた魔法が発動すると、二重の氷で全ての魔物と魔族が氷像へとその姿を変えていた。]
(115) りおん 2015/05/05(Tue) 02時頃