―昼すぎ/教会―
[リッキィをよく知る人物、といっても、カリュクスは彼女の交友関係を知らない。唯一心当たりがあるとすれば、彼女を治療したとき、そばにいた店の女性だろうか。
今から行って、話を聞いてみようか。でも、自分は彼女から見ればよそ者の客でしかない。突然リッキィのことを聞いても話してくれるかどうか――。
そんなことを考えながら、一度教会に戻る。
と、そこにオーレリアの姿が見えた>>109。なぜだか、妙に慌てていて。気にかかって後ろから声をかけようと近づいたが、すこし遅かっただろうか。
自分がいないあいだに、なにかあったのかもしれない。
追いかけるべきか。いや、だれか教会の者が話を聞いているかも――
迷ってあたりを見回すと、ミサの時間でもないのに、教会を訪れたふたりの姿が目に入る。ひとりは目をうるませて>>105、もうひとりは死者のための灯籠を持って>>103。それが意味するところに気づくと、なにかが込み上げてきて、あわててそれを飲み込んだ。
でももしかしたら、このふたりから、なにか話を聞けるかもしれない。そう思って、カリュクスはふたりに近づいていった]*
(115) 2017/08/18(Fri) 21時半頃