―B地区・商店街の通り―
……♪
[だらしなく両手をポケットに入れたまま、実に機嫌よく、鼻歌交じりに人気のない大通りを歩く。
その足取りが時折ふらりとよろめくのは自覚している。
それは体調を崩した時の嫌な感じによく似ていた。体中に重りを括りつけられたような倦怠感と不快感は、意識の外に追い出すことは出来ない。
しかしそんなことは意に介さないふりをして、平気な顔で進む。他の参加者に遭遇したとき、異変を気取られて付け込まれるのは御免だ。]
それにしても参ったなぁ
誰かしら居ないものかな…?
[現在移動できるエリアは4つ、明日には更に狭まって3つ。この限局された範囲に10人以上の人間が居るというのに、なかなか標的に出会わない。
運がないのか、はたまた他の連中のやる気がないのか。
やれやれと肩を竦めて、ひとりきりの行軍は続く。*]
(114) 2014/12/11(Thu) 00時半頃