[天空より降り注ぐ星の雨は周囲を破壊しない。
けれど巻き起こる熱風や身体を掠める星の感触は本物そのもの。
事前の知識と、周囲へ影響を与えない様子から幻覚であることは理解したものの、己には実感のあるそれは悠長に構えていられるものではない。
天を見上げ、降り注ぐ星の位置を逐一確認し、後退しながら直撃を免れるのに精一杯だった]
……全く以て嫌な光景だ。
[脳裏には焼け落ちた街の光景が浮かんでいる。
視界にそれは無く、術者である魔女の姿も無い]
護りの盾
[言霊を紡ぎ、自分と星の間に魔力の壁を出現させようとするが、魔法が上手く発動しない。
迫る星に対し咄嗟に前方へ転がることで星を避けたが、熱さや衝撃の感覚は身体に残った]
チッ
[魔法が発動したところで幻覚故に擦り抜けるのだが、それが頭から抜け落ちるほどに余裕はなく。
険しい表情のまま幻覚に踊らされ続ける羽目になった*]
(114) 2018/03/20(Tue) 23時頃