―夕刻・テストルーム―
[あれから、少し吹いてから、テストルームに向かった。
そして、今、朝に始まった、問診から始まったいろんなテストが、終わった。]
「耐火、耐熱、耐酸、耐圧、最大荷上重量全て理想的ですね。」
「動きもスムーズですし、ここまで軽量化できるとは…!」
「あとは、微調整をすれば…」
[寝転がったまま、近くで交わされる言葉を聞く。部屋にいる先生たちは、みんなとてもうれしそうで、よかった。と、僕もうれしくなった。]
「これなら、義肢としても問題なく使えますし、様々なロボットのアームにも十分使えます!俺たちの力で、たくさんの人たちを救うことができるんだ!」
[先生たちは、ずっと、事故や病気で腕や足を失った人たちに、自分の腕や足と全く変わらないように動く義肢や、災害や介護の現場で活躍できるパワーアームを作ろうと、一生懸命研究していた。
僕がそれのお手伝いをするようになったのは、たった2年前だけど、それからずっと見ていたから、今日、この日、夢が叶いそうで、とてもうれしい。でも。]
(114) 2016/05/08(Sun) 22時半頃