腹を空かせて不機嫌になるのはお前の方だろう。
どうした、何が不満だ?
言ってみろ、トレイル。
[内壁に傷を押し当て、浅くから深くを目指して血色の線を引く。
指腹で摩擦してやると真新しい赤色が溢れ、腸壁に染み渡る。
彼が腰を揺らすだけでも傷が広がり、下肢に力を込めるほどに指からは鮮血が絞られた。
その分、自らの指にも痛みが走ったが、熱を共有するようで首裏を騒がせる。
ぬる、とどんな潤滑油より勝る液体が彼の身体を犯し、駄目だ駄目だと常識にしがみ付く相手を苛む。
じゅく、と血が媚肉に纏わりついて、性腺を駆け上がり、彼の体液と血が境界線を失う。
執事の大事に育てていた幼子は、既に己の血で生かし、己の精で犯す。
繰り返される己の名に背徳的な充足に胸が満ちて、チラと墓に視線をやれば、下肢に確かな熱が集まった。*]
(113) momoten 2014/02/09(Sun) 15時半頃