─ ポーチュラカと ─
[その少女は、神社に控える狛犬のようにいた>>2:573。
声をかけ林檎を勧めれば、皿の上に並ぶそれを素直に口に運んでくれる。]
兎の様に剥こうかとも迷ったのだけど……兎、判るかい?
まぁ、戦士に振る舞うかも知れないからやめたんだ。
[調理したかと問われれば頷き、兎が判らないと言えばどんな動物なのか、手振り身振りで説明しただろう。
そうして爪楊枝に感心する様に、微笑ましい気持ちで目を細めた。
林檎の味が気に入ってくれたのか、きゃあきゃあと跳ねれぱ更に男の目許は細くなる。
訊ねたことへの答え>>2:580には、成程とまたひとつ頷く。
林檎の味に跳ねるみたいに声も弾んだように聞こえたのは、彼女の明るい表情のおかげだろう。]
嗚呼、判るな。
あたしは自分の世界をそれなりにしか知らないけど、それ以外のものに触れるのは初めてだから、面白く感じる。
話した人の数は少ないかもしれないが、そんなあたしでも、お喋りして誰かのことを知れるのは面白いねぇ。
[ポーチュラカの好奇心で弾むような声で紡がれた答えは、己にも当てはまる。]
(113) 2015/12/13(Sun) 21時頃