[壁に手をつきながら、なんとか歩みを進める。
身体にこびりついた精をそこかしこに擦り付ける形になったが、今は気にしている余裕もない。
まだ「夜」は終わっていないのだ、「花」が休むわけにはいかない。]
女将さん、一度「お風呂」に行ってきます。
[――…「風呂」とは、ただの風呂のことではない。
普段は客用として開放してある二階の『スライム風呂』のことだ。
元々、この店では掃除係としてスライムを使っている。
身体の表面はもちろん、中にまで注がれた白濁を綺麗に洗い流すには、それが一番いいだろう。
そう思ってのいつもの行動。
が、もしも―…
もしも――…
前後不覚に弱った獲物が二階へと上がっていくのを、彼女を捕食しようとする者が偶然目にしたなら>>98、血に飢えた獣と偶然とすれ違ってしまったら>>104。
そのまま「風呂」にまでついてこられてしまうだろうか?道中で部屋に連れ込まれてしまうだろうか?*]
(113) 2019/05/13(Mon) 23時半頃