[力任せに追撃を弾き返す。ニコラスは弾かれたまま飛ばされた。
ただ、こちらも反動で後ろにバランスを崩しそうになり。
立て直すために軽く宙返りを入れる。]
まだ…まだぁっ
[虚勢を張る。体力はかなり衰えているし、刻まれていった傷は間違いなく動きを鈍くしている。
着地、構え、その時には姿勢を低くして向かってくるニコラスと右目に近づくナイフの切先。
彼の目が、このままなら目を抉ると言っているようで。
片目くらい、くれてやる。
既に、戦いに飲まれていた少年には、近づく彼の姿は好機と映った。首を少し傾げるように、飛び込みに使うはずの全身の力を右手へと集め、近くなった男の首と胸をめがけ、抉りこむように右爪を振り抜く。
目へと刃が到達し、痛みと、それ以上の熱さを感じた。]
ァアアアアア!
[だが、狼の動きは止まりも鈍りもせず。爪は致命を狙う。
回避行動を取ったとしたら、そのままがむしゃらに組み付きに行くだろう**]
(111) 2014/11/16(Sun) 08時半頃