お待ちどう。
若者には物足りないだろうけどね、お代わりは好きにしてくれて構わないよ。
[セシルの斜向かいに腰掛け、手にしたフォークでキッチンの方を指した。
飾らない褒め言葉に当然と鼻を鳴らし、けれど自分の皿からパンを一切れ彼の皿へと与えた辺りで心情は察せられるだろうか。
家に秘密で、と隠し事をしながら笛を吹いていてもこういった些細なところで育ちの良さが滲んでいる。
頑固翁の手腕か、はたまた。]
……そうだねェ
どこに居続けても窮屈だったり不自由なことはあるさ。
どこに行っても逃げられないモンってのもある。
どうしたって変わらない事なんか出来っこないだろう、時間は待っちゃくれないんだからね。
[貰い物の野菜だった蒸し野菜を突き回しながら、束の間過去に思い馳せて。
発した本人の真意を知らないのもあって回答にはなり切らなかっただろう言葉はどう受け取られるのか
説教臭かったね、と締めくくって。]
(111) 2013/06/14(Fri) 22時半頃